投資ファンドの基礎知識

投資事業有限責任組合の概要

投資事業を行う場合、事業体と投資家の二段階での課税を回避できること、投資家は有限責任組合員となり出資金額を超えて組合の負担する債務について責任を負うことがないことから、投資事業有限責任組合(LPS)が利用することが一般的です。 投資事業有限責任組合の概要は下表のとおりです。

投資事業有限責任組合の概要

名称 投資事業有限責任組合
一般的な略称 LPS (limited partnershipの略)
設立根拠法 投資事業有限責任組合契約に関する法律(LPS法)
構成 無限責任組合員(GP)と有限責任組合員(LP)により構成される。
金融商品取引法の規制 出資持分は原則としてみなし有価証券に該当する(金商法2条2項5号)。
本来、LPS組成前に有価証券届出書の作成・金融庁への提出(金商法4条1項)等が必要になるほか、GPになろうとする者が投資家(LP候補)にLPSへの出資を勧誘する場合には、第二種金融商品取引業の登録をしなければならない(金商法2条8項7号ヘ、28条2項1号、29条)。また、GPがLPSの運営を行う場合には、投資運用業の登録をしなければならない(金商法2条8項15号ハ、28条4項3号、29条)。
しかし、これらの規制を遵守するには多大なコストを要するため、実務上は、GP(となろうとする者)は簡易な届出で足り、有価証券届出書の作成・金融庁への提出が免除される適格機関投資家等特例業務として、LPSを組成・運用することがほとんどである(金商法63条)。
適格機関投資家等
特例業務の主な要件

《LPSの組成時》

LPの員数
500名以下(私募である必要があるため)
LPの構成
適格機関投資家(プロ)1名以上
適格機関投資家以外の特例業務対象投資家49名以下
転売制限
適格機関投資家はプロ以外の者に転売できない。
特例業務対象投資家は、プロ又は特例業務対象投資家への一括転売する以外の転売ができない。
LPの欠格事由
LPは金商法63条1項1号イロハに該当してはいけない。

《LPSの運用時》

LPの構成
適格機関投資家1名以上
適格機関投資家以外の特例業務対象投資家49名以下
LPの欠格事由
LPは金商法63条1項1号イロハに該当してはいけない。
金融商品販売法の規制 GPになろうとする者が投資家(LP候補)にLPSへの出資をさせることは金融商品の販売に該当するため、金融商品販売法3条1項に規定する重要事項(リスク情報)の説明義務など同法に定める規制を遵守しなければならない。
犯罪収益移転防止法の規制 GPになろうとする者が投資家(LP候補)との間で投資事業有限責任組合契約を締結する際して、犯罪収益移転防止法4条に定める本人確認を行わなければならない。
存続期間 10年前後で設定されることが多い。
投資期間 3年から5年で設定されることが多い。
GPの管理報酬 出資コミットメント金額の1.5%から2.5%の間で設定されることが多い。
GPの成功報酬 個々の投資案件ごとに、又は組合全体で、キャピタル・ゲインの20%と設定されることが多い。
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